「今年の東急ジルベスターコンサートに武蔵野に出てもらおうと思ってる。」

マエストロ小林から突然そういわれたのは、平成17年の秋のはじめころであったろうか?
久しぶりに小林先生と酒席を囲んでいた武蔵野のメンバーは一瞬耳を疑った。
しかも「第九でカウントダウン」だという!第九で?無茶だ!…声にならないいろんな言葉が、メンバーの頭の中を駆け巡ったのはいうまでもない。

しかし小林先生は「無謀だと言われるのは承知の上。武蔵野となら挑戦してみたい。」とおっしゃる。
この言葉こそ小林先生から創立50周年を迎えた武蔵野合唱団へ、これ以上はないビックなプレゼントである。
ここまで言われたら武蔵野、燃えるしかない。もちろんその場で快諾。


東急ジルベスターコンサートといえば、テレビ東京系列とBSジャパンで生放送。
多くのクラシックファンがチャンネルを合わせ、出演者は超がつく有名音楽家ばかり。
年越しのカウントダウンの演奏はその中でも一番の呼び物であり、それを「第九」でやるとなれば大きな反響を呼ぶことは間違いない。

ただし、演奏の終わりが0時00分より0.5秒でも早かったり、遅かったりしただけで「あの年はズレた」と後々までも語り草になるイベントでもある。
年明けから小林先生と一緒にうまいビールを飲むことができるかどうか、武蔵野にとってはナーバスにならざるを得ない、非常に大きな課題であった。


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