武蔵野合唱団は、日本フィルハーモニー交響楽団からご依頼いただいているおかげで、
年末に向けて第九の練習をするのが毎年の恒例である。
ただ平成17年の秋から始まった練習では
例年にない言葉が練習指揮者から発せられていた。
「どんなテンポになってもついていけ!」
日フィル演奏会の後に待ち受ける、
ジルベスターコンサートのカウントダウンを意識しての言葉である。
「ベートーヴェンの第九」の前に「年末恒例の」が付く日本では特に、
「マンネリに堕することなく毎回新たな気持ちで演奏に臨む」のは、
プロでもアマチュアでも人前で演奏する者の最低限の心構えではある。
が、そこは長年親しんだ小林先生の指揮。
毎年微妙な変化はあっても、とんでもないテンポなどまず考えられない。
我々は楽聖ベートーヴェンとマエストロ小林がつむぎ出す
音楽と時間の流れに、必死の思いではあるが、くらいついていけば良かった。
ところがカウントダウンでは、そこにストップウォッチという非情な要素が加わる。
情熱的で自由奔放な指揮で知られるマエストロコバケン。
音楽の興奮と陶酔の中でどんな時間管理をするのか、誰にも想像がつかなかった。
ところで第九の4楽章は、
バリトン独唱の歌い出しからラストまでの演奏時間がほぼ18分。
しかしカウントダウンでは、演奏会と番組の進行上の都合から16分程度しか時間を取れないという。
とすると必然的にどこかをカットしなければならない。
第九をカット!どこを?????
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